RAFIQ Magazine 9月号

RAFIQ Magazine

９月号

外国ルーツを持つ人は、「不審事由」がないにもかかわらず職務質問を受けることが多いという調査結果が報じられました。外国人に見える外見だけで「怪しい」と判断されることがあるのなら、多様性が求められる時代に逆行しているといえるのではないでしょうか。

１．RAFIQ20周年を迎えて

２．国連自由権規約委員会へNGO報告書を提出　なんみんフォーラム

３．トルコ国籍クルド人が初めて難民認定

４．アフガニスタン難民133人認定

５．RAFIQスケジュール

1．RAFIQ20周年を迎えて

2002年8月に結成したRAFIQは、この9月から20年目の活動に入りました。会員やボランティアが協力して4つの柱である法的支援・生活支援・市民啓発・政策提言等を充実させることができるようになってきました。会員も8月末で100名を超えました。

UNHCR（国連難民高等弁務官事務所）の支援対象者が1億人を超える中、RAFIQにも紛争地や人権に問題のある国等からの難民の相談が増えています。

これからも“難民と一緒に暮らせる街”を目指して活動を進めていきますので、ご支援をよろしくお願いいたします。

写真　イベントへの出展、勉強会、OSAKＡなんみんハウス

2．国連自由権規約委員会へNGO報告書を提出　なんみんフォーラム

9月12日、RAFIQの加盟する難民支援団体「なんみんフォーラム」（FRJ）は、本年10月に予定されている国連自由権規約委員会による日本政府審査に向けて、同委員会にNGO報告書を提出しました。

この審査は、当初2020年に予定されていましたがコロナのために延期されていました。

NGO報告書では、同委員会の事前質問リストを基にした日本政府の報告書に対し、国内の難民、庇護希望者及び無国籍者の人権状況について、5項目23件の勧告を同委員会に求めました。

国際人権法である「市民的及び政治的権利に関する国際規約」（自由権規約）は、1966年に国連総会で採択され（1976年発効）、日本は1979年に批准しています。

NGO報告書の詳細は「なんみんフォーラム」（FRJ）のホームページに掲載しています。

なんみんフォーラム「国連自由権規約委員会へNGO報告書を提出しました！」http://frj.or.jp/news/news-cat...
概要：http://frj.or.jp/news/wp-conte...
本文：http://frj.or.jp/news/wp-conte...

【参考】NPO法人なんみんフォーラム　http://frj.or.jp/about

３．トルコ国籍クルド人が初めて難民認定

8月9日、トルコ国籍クルド人が日本で初めて難民認定されました。

この人は、2014年から難民認定申請を行っており、2018年に2回目の申請が不認定になり、2019年に札幌地裁に難民不認定の取消しを求めて裁判を行っていました。

そして、2022年5月20日に札幌高裁で勝訴し、8月9日にやっと法務大臣が「難民」として認定しました。

日本には数千人のトルコ国籍クルド人が庇護を求めてやって来ていますが、日本がトルコと友好国のためかトルコ国籍の難民がこれまでに難民認定を受けたことはありませんでした。難民審査参与員が難民認定の意見を出しても尊重されず、裁判で勝訴しても最終的には法務大臣の判断で再び難民不認定とされてきました。

迫害の理由をしっかりと調査し、どの国の難民も平等に判断してほしいものです。

【参考】全国難民弁護団連絡会議

「トルコ国籍クルド人男性に係る迅速な難民認定を求める申入れ」　５月31日
http://www.jlnr.jp/jlnr/wp-content/uploads/2022/05/jlnr_request_220531_final.pdf

「トルコ国籍クルド人の初めての難民認定に際しての声明」　８月10日
http://www.jlnr.jp/jlnr/wp-con...

４．アフガニスタン難民133人認定

8月23日、日本に退避していた在アフガニスタン日本大使館の現地職員とその家族ら計98 人（18家族）が難民認定を受けたとの報道がありました。

昨年の認定数は過去最多の74人でしたので、今回認定されたアフガニスタン難民だけで昨年を超えました。この認定は歓迎してよいものでしょうか？その後の報道では、帰国を促され58人が帰国し、7人が英米へ出国したとされています。法務大臣の記者会見では、この他にも35人が認定されたこと、また98人については申請してからわずか3週間で認定されたことがわかりました。

しかし、まだ日本大使館の職員と家族だけでも80人が現地にとどまっているようです。他のアフガニスタン難民については、日本に身元保証人がいる場合のみ1年間の特定活動の在留資格が与えられることになっており、生活全般について身元保証人に多くの負担が掛かっています。

【参考】

全国難民弁護団連絡会議「在アフガニスタン日本大使館職員及びその家族の集団的難民認定に対するコメント」　８月23日
http://www.jlnr.jp/jlnr/?p=7487

法務省　法務大臣記者会見の概要　８月26日
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00331.html