RAFIQ Magazine
5月号

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除され、学校再開や商業施設の営業再開など明るい兆しも見え始めました。しかし、多くの人が自由に動けない、働けない、必要な物がないというコロナの影響は計り知れず、弱い立場の人はますます窮地に陥っているのではないでしょうか。皆が何かしらの我慢を強いられている中、他者への想像力を働かせ、助け合い、支え合っていける社会をめざしたいと思ます。

目次

1.「世界難民の日」のキャンペーンサイト開設

2.「10万円給付金を仮放免者にも」要望書に賛同しました

3.支援難民にマスクなどを配布しました

4.オンラインで日本語学習を支援して

1.「世界難民の日」のキャンペーンサイト開設

6月20日は2000年の国連総会で定められた「世界難民の日」です。

この前後には世界中で難民について考える様々な取り組みが行われます。

RAFIQでは、昨年まで毎年、他の支援団体と連携して6月下旬に「世界難民の日関西集会」を開催してきました。今年は新型コロナウイルスの影響が続く現状を考慮し、集会に替えて、Webサイト「世界難民の日in KANSAI 2020世界とつながる”今”の日本で~あなたと私にできこと~」を開設することにしました。

そして、6月をキャンペーン月間とし、他の団体と連携しながらこのサイトで、実は身近にある難民の問題について情報発信し、問題提起をしていきます。

6月7日からは4週にわたり毎週日曜に動画を更新して、専門家による解説、関西で暮らす難民へのインタビュー、ボランティアの経験談などで、困難な状況でも希望を持って生きる難民の皆さんの現実をお伝えします。

また、関連映画のオンライン上映会もご案内しますので、お楽しみに!

ともに地球で暮らす仲間として、何か自分にできることが見つかるかも。

世界難民の日in KANSAI 2020

世界とつながる”今”の日本で~あなたと私にできこと~

http://rafiq-jp.sakura.ne.jp/WordPress/refugeeDay/2020/

2.「10万円給付金を仮放免者にも」要望書に賛同しました

新型コロナウイルスは、難民が多く収容されている入管収容施設や仮放免者にも影響が出ています。入管収容施設や仮放免者に関する要望書などをご紹介します。

人権の奪われている入管収容者と仮放免者への早急な対策が必要です。

RAFIQは4月24日に法務省に提出した「被仮放免者への新型コロナウイルス特別定額給付⾦(仮称)受給資格付与の請願」に賛同しました。

全文:http://rafiq.jp/pdf/motion/2004_offer.pdf

この請願書は、外国人も含めて1人10万円がされる定額給付金の支給対象者に仮放免者が含まれていないためです。仮放免者の在留資格は、1~3か月の期間になっています。今回の支給対象者は「3ヶ月を超える在留資格を有する外国人」となっている為、4か月以上の在留資格が必要になり対象外になっています。

この定額給付金とは①「外出を⾃粛し、⼈と⼈との接触を最⼤限削減する必要がある」ので、  ②「⼈々が連帯して、⼀致団結し、⾒えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」ため、  ③「感染拡⼤防⽌に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への⽀援を⾏う」ためのもので、日本に在住する人は誰でも該当すると思います。

4月下旬以降の入管収容者等の問題に関する要望書等をご紹介します。

*4月20日「入管施設の被収容者および仮放免許可者をめぐる5団体の緊急共同要請」 全国難民弁護団連絡会議、入管問題調査会、全件収容主義と闘う弁護士の会 ハマースミスの誓い、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)、日本カトリック難民移住移動者委員会(JCaRM)

https://migrants.jp/news/voice/20200420.html

*4月22日「被拘禁者、職員を新型コロナウイルスから守るべき」ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本

https://www.hrw.org/ja/news/2020/04/23/341180

*4月24日「新型コロナウィルス感染拡大における、在留資格を有しない人々に関する声明」ヒューマン・ライツ・ナウ

https://hrn.or.jp/activity/17639/

*4月29日「COVID-19と入管収容:政府と他のステークホルダーは何ができるか?」

国連移住ネットワーク 入管収容代替措置に関するワーキンググループ

https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/international/covid19/05.pdf

3.支援難民にマスクなどを配布しました

新型コロナウイルスの感染予防のために、マスクの使用が呼び掛けられていますが、マスクや消毒液が4月初めのころには市中で売っていませんでした。売っていても高額でした。RAFIQが生活支援を行っている難民は仮放免者など就労資格のない人も多く困窮していますので、マスクの購入費用も負担になります。

4月下旬にせめてマスクだけでも支援を行いたいと思い、会員とボランティアに寄付を呼びかけました。すぐに反応があり1週間で配布分が集まりました。5月の連休明けに0歳から70代までの難民約30名にマスクと石鹸タオルなどを入れ宅急便で送りました。ご寄付いただいた方ありがとうございました。

難民の皆さんから、電話やメールで感謝の言葉が届いています。手作りのものもあったので子どもさんにも喜んでもらえたようです。

新型コロナウイルスは、長期化が予想されます。この間、就労可能で就職していた方が休業になり、就職希望の方もなかなか仕事は見つかりません。ふーどばんくOSAKAの食料支援も止まったままです。今後も月1回くらいは、日用品も含めて提供を続けていきたいと思っています。

マスクや消毒液のご寄付と共に政府の給付金等から除外されている難民へ支援のためにご寄付の協力をお願いいたします。

寄付の詳細はここを参照ください。

http://rafiq.jp/support.html#main_supp_03

4.オンラインで日本語学習を支援して

今年の4月から、日本語の学習を希望する難民の方に90分のオンラインでの日本語学習支援を週2回行っています。

コロナの影響で、この方がそれまで週5回通っていた日本語教室の全てが休みになりました。3月はRAFIQの会員数名で日本語支援を行っていましたが、4月7日に緊急事態宣言が出された後はオンラインでの支援をしています。

この方は大村入管等に2年余り収容されていた方で、そこでの限られた時間でのテレビの視聴などを利用して日本語を熱心に学んでいました。そのため、簡単な日常会話を聞いて理解し話すことができます。

日本語学習の時間をいつも楽しみにしてくれていて、「日本で生きていくために日本語が必要」「日本語を話して日本の人たちと友達になりたい」と、とてもがんばっています。また、明るく好奇心旺盛な方で、天ぷらが好物、演歌を練習するなど日本の食べ物や文化にも興味があります。一方で、日本語の語彙が増えるに従い、残してきたご家族への心配やご自身の迫害の体験についても、たまに日本語で口にされるようになりました。

コロナの事態が一刻も早く収束し、この方が、学んだ日本語を実践で活かせるよう、様々な方と日本語での会話を楽しめるようになるよう心より願っています。また、難民の方々が日本に受け入れられ隣人として一緒に暮らせる日が早く来るよう切に願います。

(RAFIQ会員 Oさん)

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RAFIQ Magazine 2020年 5月号  2020年5月25日発行

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 発行:在日難民との共生ネットワーク RAFIQ

 ホームページ: http://rafiq.jp

 お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440

      rafiqtomodati@yahoo.co.jp


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