RAFIQ Magazine ２月号

RAFIQ Magazine

２月号

世界の中でも難民認定率が極端に低い日本で、入管法の改正により今後はさらに難民認定が難しくなりそうです。日本は差別がなく安全と信じて来た人たちが、司法審査もなく簡単に収容されたり、身の危険がある母国に強制送還されることがないように、支援団体はこれまで以上に連携して、この流れを変える活動をしていく必要があると感じています。

１．難民の送還・罰則が可能になる「入管法改正案」閣議決定

２．寄稿　ミャンマー（ビルマ）に真の民主化を

３．翻訳ボランティアに参加して

４．３月のイベント案内

１．難民の送還・罰則が可能になる「入管法改正案」閣議決定

2月19日に政府は「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案」（入管法改正案）を閣議決定しました。

RAFIQでは設立当初から出入国在留管理局に収容されている難民を支援し、仮放免後も支援してきました。今回の法案で私たちの支援している難民が少しでも安心して過ごせるようになることを期待していましたが、内容を見るとより支援が困難になることが予想されます。特に3回目の難民申請の人が送還できるようになることは、難民条約の「ノン・ルフールマンの原則」（難民申請者は母国に送還しない）の理念に違反します。

2月18日には野党6党が「難民等の保護に関する法律案」（難民保護法案）と出入国管理及び難民認定法（入管法）の改正案を国会に提出しました。国際基準に基づいた透明性のある難民認定と難民申請者の生活保障を優先すべきです。日本の難民政策が「排除」ではなく「保護」として進むことを望みます。

2021年2月19日　出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案」（閣議決定内容）

http://www.moj.go.jp/isa/laws/bill/index.html

全国難民弁護団連絡会議　入管・難民法改正の関連情報

http://www.jlnr.jp/jlnr/

2021年2月19日　認定NPO法人難民支援協会「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対する意見」

https://www.refugee.or.jp/jar/report/2021/02/19-0000.shtml

2021年2月19日　公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本「国際人権基準に則った出入国管理及び難民認定法改正を求める意見書」https://www.amnesty.or.jp/news/2021/0219_9114.html

2021年2月18日　立憲民主党「難民等保護法案・入管法改正案を参院に提出」

https://cdp-japan.jp/news/20210217_0768

移住連・移住者と連帯する全国ネットワーク【緊急署名】日本で生きる！移民・難民とその家族に、日本で暮らすための在留資格を認めてください！（署名受付３月31日まで）
https://migrants.jp/news/voice/20210223.html

２．寄稿　ミャンマー（ビルマ）に真の民主化を

2021年2月1日、世界に衝撃のニュースが走りました。―ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー国家顧問とウィンミン大統領らが拘束された。国に非常事態宣言が出され、国軍トップのミンアウンフライン最高司令官が全権を握った。―

2011年からの民政移管後、ミャンマー(ビルマ)はアジア最後のフロンティアとして経済的な発展を遂げていました。日本で難民申請し、難民として認めてもらうまで相当に苦労した人たちも、「母国の民主化を手伝おう」、「日本とビルマの懸け橋になろう」と帰国しました。1988年に学生だった88世代の人たちです。彼らは88年の悪夢を再び見るとは想像もしなかったでしょう。

今回の抗議活動の中心はジェネレーションZと呼ばれる20代、30代の若者世代です。SNSを巧みに使い、平和的抗議活動を世界中に発信しています。毎晩8時に金物を鳴らして抗議の意思を表す運動に、私も日本から同じ時刻に金物を鳴らし、彼らと連帯しています。どうか、ビルマに真の民主化が訪れますように。（日本ビルマ救援センター　中尾恵子代表）

日本ビルマ救援センター「ミャンマー(ビルマ)クーデターにおける声明文」

http://www.brcj.org

日本ビルマ救援センターとは

http://www.brcj.org/p/blog-page_7915.html

２月７日、大阪城公園では若者を中心にミャンマーのクーデターに対する抗議活動がありました。新型コロナの接触確認アプリCOCOAの利用が参加条件でした。

同日には神戸三宮でも多くの人がクーデーターに抗議し、国際社会に理解と協力を求める活動に参加しました。

３．翻訳ボランティアに参加して

私はRAFIQの法的支援メンバーとなり、これまで二度の翻訳支援に携わりました。私が携わったものについて簡単にお話しします。具体的に何を翻訳するのかというと、ある難民の方が認定をかけて日本の国を相手に闘う裁判のための資料です。その方はスパイの疑いをかけられ出身国から逃れた難民の方なのですが、海外のウェブサイトには似たような境遇にある難民の情報やその出身国でのスパイ疑惑に関係する情報が英語で書かれていたりします。そのような情報を日本語の情報に変えていきました。

難民の方にとっては人生をかけた裁判ということもあり、翻訳を行う私としても難民の方のために少しでもお役に立てればと言う気持ちで翻訳させていただいています。また、Google翻訳などの翻訳ツールがある中、私たちが翻訳を行う意義はそれらのツールでは補いきれない、正しく意味の通る日本語に変換することにあると思っております。

翻訳をしていて感じたのは、難民の置かれる状況は日本においてはもちろんのこと出身国やその他の国でも極めて厳しいということです。「なりたくてなったわけではない」難民という立場に置かれた方々のために、翻訳だけでなく色々な支援をこれからも行っていきたいという気持ちがより一層強くなりました。（RAFIQ会員 Kさん）

４．３月のイベント案内

RAFIQでは、どなたでも難民問題について学び、意見交換できる講座やミニイベントを毎月開催しています。オンラインでどこからでも参加できますので、ぜひご利用ください。

難民初級講座「難民についてもっと知りたい」&ボランティア説明会

日本の難民受け入れについて現状と課題を詳しく解説し、RAFIQの活動内容については実例を交えて紹介します。

２月には定員を超える申し込みがあり、海外からの留学生も参加しました。昨年には海外からの参加もあり、講座終了後も国を越えて活発な意見交換が続いています。
参加者からは「様々なバックグラウンドを持つ人が参加していて、難民支援に興味のある人がたくさんいるということを実感できた。」「一市民として何ができるのかを学べてよかった。今後は自分も問題解決にかかわっていきたい。」などの感想が寄せられています。

次回３月13日（土）　14:00～17:00　※16:00からはボランティア説明会

オンライン（ZOOM）で開催　

定員：10名

参加費：2,000円（RAFIQ会員1,000円・学生1,000円）要予約

予　約：http://rafiq.jp/learn.html#main_learn_01

※RAFIQのホームページから申し込みサイト「こくちーず」にリンクしています。予約された方に振込先をお知らせします。入金確認後にZoom ID等の詳細をお知らせします。

問合せ先：RAFIQ　メール rafiqtomodati@yahoo.co.jp