RAFIQ Magazine
10月号

この度の台風・大雨により被災された方に心よりお見舞い申し上げます。

また、難民支援にご尽力をされました元・国連難民高等弁務官の緒方貞子さんが亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。

さて、ラグビー日本代表の活躍に熱くなった10月でしたが、「日本選手」の多様化が進みつつあるスポーツ界の中でも、ラグビー日本代表の多様性は際立っていました。日本語を話し、同じような外見をした同質性の高い人々が「日本人」だと信じていた人に、「日本代表チームって何?」、「日本人って何?」、「多様性ってええやん!」などと考えるきっかけになったとしたら嬉しいですね。 

目次

1.     OSAKAなんみんハウスオープンデーを終えて

2.    【ご案内】1117日 RAFIQ17周年記念 公開セミナー

  「日本における難民申請者と収容」

3.    韓国の難民保護の取り組みに関する勉強会に参加して

4.     全難連声明「人道危機にある入管収容の現場から人間の尊厳の確保を求める」

    1. OSAKAなんみんハウスオープンデーを終えて

     10月6日に「OSAKAなんみんハウスオープンデー」を開催し、約30名が参加しました。4回目となる今年は、7名のボランティアがRAFIQでの活動内容を、3名の難民が日本に来てからの体験談をそれぞれ発表しました。参加者が自由に語り合う「難民カフェ」の時間には、難民の方からも様々な意見や提案があり、熱い議論が交わされました。  

    中学生からは「難民は怖い人と思っていたけど、話してみたら違った」といった素直な感想も寄せられ、手応えを感じました。スタッフからも「若い人達もたくさん来てくれるようなイベントをこれからも企画していきたい」、「普段活動している場所でイベントをすることで、RAFIQをより身近に感じてもらえたと思う」、「これまで実際に活動している会員の体験談を聞く機会はなかったので、外部の方たちに向けて話すことができてよかった」などの声がありました。今後も難民問題を知る機会となるイベントを行っていきます。

     

    詳しくは、https://www.facebook.com/rafiqjapan/posts/1056256551211695

    2. 【ご案内】11月17日 RAFIQ17周年記念 公開セミナー「日本における難民申請者と収容」

    RAFIQは皆様のご支援で9月から17周年を迎えました。17周年を記念して、関東で精力的に難民や入管問題に取り組んでいらっしゃる弁護士、児玉晃一氏による公開セミナーを開催いたします。ぜひご参加ください。

    参考:(インタビュー)入管、長期化する収容 弁護士・児玉晃一さん

    朝日新聞 201995 https://www.asahi.com/articles/DA3S14165535.html

    ・日時    20191117日(日)16301830

    ・場所  大阪聖パウロ教会 1F会議室 大阪市北区茶屋町230

    ・参加費    RAFIQ会員 無料、一般 1,000円、学生 500

    ・申し込み   https://www.kokuchpro.com/event/b8ed34abeaeebccf73a53714c10188ee/

    講師プロフィール 

    • 全件収容主義と闘う弁護士の会 ハマースミスの誓い 代表
    • 全国難民弁護団連絡会議 世話人
    • 刑事弁護フォーラム 世話人
    • 外国人ローヤリングネットワーク(LNF) 世話人

     マイルストーン総合法律事務所

     milestone-law.com/lawyers/


    3. 韓国の難民保護の取り組みに関する勉強会に参加して

    1021日になんみんフォーラム(FRJ)主催で、韓国より二人のエキスパート(弁護士とNGOスタッフ)を招いて、韓国の難民保護に関する勉強会が開催されました。韓国は、2013年に進歩的とみられる難民法を制定したこともあり、実際の難民保護率は日本よりかなり高くなっています(2018年における難民認定率は、韓国3.1%、日本0.3%)。
     

    しかし、今回の勉強会で認定手続きや支援制度の内容の説明を受けると、意外と日本より厳しいと思われることが多いという印象でした。例えば、空港での難民申請は申請前のスクリーニングがありほとんどが送還されてしまうこと、直接的な証拠が厳しく要求されること、異議申し立てを審査する難民委員会は独立性に疑問があること、収容は送還可能になるまでで期限がないこと、申請者への生活費は申請後6か月以内で審査も2~3か月かかることなどです。ただし、済州島に来た約400人のイエメン人の9割程度の人が人道配慮による在留許可を得たことでもわかるように、難民認定はしないものの一定の在留許可を与えることが多いようです(2018年難民認定及び人道配慮による在留許可の合計保護率は韓国16.4%、日本0.5%)

    なんみんフォーラム(FRJ)とは: http://frj.or.jp/

    4. 全難連声明「人道危機にある入管収容の現場から人間の尊厳の確保を求める」

    大村入国管理センター(長崎県)に長期間収容されていたナイジェリア人男性が今年6月に収容所内で「飢餓死」したというニュースは、「今の日本で飢餓死?!」と驚きをもって受けとめられた方が多いかと思います。1025日、全国難民弁護団連絡会議など難民申請者を含む非正規滞在者の支援に携わる9団体が賛同し、「人道危機にある入管収容の現場から人間の尊厳の確保を求める」声明を発表しました。この声明では、出入国在留管理庁に対して、第三者機関による徹底的な調査を実施し、本件の真相を解明するよう求めています。また、収容が長期化しハンガーストライキが行われる背景のみならず、日本の難民認定制度や非正規滞在者の収容などの問題も指摘しています。

    https://migrants.jp/news/voice/20191025.html

    さらに、108日のアムネスティ「国際事務局発表ニュース」では、入管施設での長期収容とハンガーストライキの問題について、体調が悪化して仮放免を許可したハンスト参加者を短期間で再収容するという入管のやりかたは、「表現の自由の権利の侵害」としても認められないと批判しています。このニュースは世界に発信されています。

    https://www.amnesty.or.jp/news/2019/1008_8361.html

    RAFIQでも大阪入管での面会活動を毎月行っていますが、長期化し先の見えない収容が難民申請者の心身の健康を害しているのを懸念しています。

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     RAFIQ Magazine 2019年 10月号 2019年10月30日発行
     
     発行:在日難民との共生ネットワーク RAFIQ
     ホームページ: http://rafiq.jp
     お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440
            rafiqtomodati@yahoo.co.jp


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