私たちは、デカルトの影響と、その教育のおかげで「論理」を重視します。
「科学」と名前がつくと、正しいと思っています。正しいの定義を疑いもせず、なんとなく「正しい」と思っています。論理に毒されたと言っても良いでしょう。
例えば、中学校ぐらいで「電子の数」を習います。水素は1つ、ヘリウムは2つと習います。しかし、あのアイデアが出た当時には、電子って数えられないんじゃない?波じゃないの?と、量子と呼ばれる分野が生まれ始めた時期です。
つまり、学校で「電子の数」を教え始めた頃、物理学者は「1個、2個、3個・・・」って数えられないよなーと思っていました。しかし、学校では、わかりやすい方を教える。そして、それが正しいかのように思われています。
最近、ワクチン接種をしない人が増えて、思わぬ流行や被害が出ているそうです。あれも、科学を誤解している結果です。今も昔も、医療で「絶対」はありません。そもそも、医者の初診の正答率は、40%以下とも言われています。
つまり、最初の診断で「あなたの病気は、・・・ですよ」と推量しても、詳しく検査したらハズレとなることが多いです。普段にかかる病気なら、次に通う頃には治っている(自然免疫で)ので、外れていても気付きません。
つまり、重要なことは「継続して通院して、経過観察」をすることです。ここに、医療の質をあげる決定的な要因があります。
赤ちゃんの診断などは、このことがわかっており(ベイスの定理という確率理論から導き出せる)、難病の検査は、わざと2回検査したりします。
さて、ワクチンの話に戻すと「ワクチン」は副作用(副反応)があります。アレルギー反応が出たり、動機が早くなるなどがあります。しかし、これは「確率が非常に低い」です。
一方で、ワクチンを接種しなくても、自然免疫で治ることもあります。健康に気をつけて、風邪をひいたら養生して、しっかり対応する。そしたら、感染症になっても治ります。ただし、治らず長引いて、難聴になったり、麻痺が残ったりと後遺症が出ることがあります。
つまり、意思決定の問題です。
- ワクチンを接種した結果の副反応の期待値 vs 感染症にかかった時の後遺症の期待値
昔から行われているワクチンは期待値で見たときに、十分に妥当だということです。
ちょっと分かりづらいかもしれませんが、「人身事故を起こした時に保険に入っていない時のリスク」と「保険に入って失うお金」を天秤にかけて、どうする?と考えることと同じです。
この手の問題については、「信頼性工学」という分野の初歩的な書籍を読めば納得できると思います。
長々書きましたが、学校という場所で、このような知識を考えさせ、教える必要があると思います。期待値の計算を覚えさせてやるのではなく、期待値が意味していることを考えさせるべきです。
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