RAFIQ Magazine
11月号

RAFIQでは、11月8日、年に一度の総会をオンラインで開催し、26名の会員が参加して一年の活動概要と今後の方針などを共有しました。当日の資料はRAFIQのホームページで公開しています。

RAFIQ年次報告書

http://rafiq.jp/activity.html

コロナ禍が続くなか、難民からの新規相談が相次いでいます。頼る人もなく就労も認められていない人が路頭に迷うことのないよう、緊急助成金などを活用しながら、この冬も難民支援を続けていきます。

目次

1.コロナ急増期のRAFIQの対策について

2.関西の難民支援のために年末のご寄付のお願い

3.公開セミナーで日本の難民受け入れについて対談

4.大学のゼミで難民支援の経験などを話して

1.コロナ急増期のRAFIQの対策について

RAFIQでは、今年の2月から新型コロナウイルスの感染拡大に備え、様々な感染防止策を実施してきました。11月中旬より日本でも感染者が急増してきましたので、現在の対策をお伝えします。各種の助成金を申請し、資金も捻出しています。

OSAKAなんみんハウスの対策

毎日のアルコール消毒とともに、来訪者には必ず手洗いを実施していただいています。窓を開けての換気を行っていますが、寒い時は換気扇も併用しています。10月にはアクリル板より強度のあるポリカパネルを購入し、難民との面談やスタッフの打合せに使用しています。非接触体温計と、指先で血中酸素濃度を測定するパルスオキシメーターも購入しています。会員の医師に相談しながら、支援難民の体調管理をしています。

会員による「事務所当番」も12月からは、車・自転車・徒歩で来られる方のみで行うこととします。これによりなんみんハウスの開所は平日のみとなりますが、変更もありますので、来所される場合はRAFIQホームページの「なんみんハウス開所日時」をご確認のうえ、事前にご連絡をお願いいたします。

http://rafiq.jp/n-house.html#schedule

難民の方に対して

支援難民に対しては、コロナ関連の情報提供とともに、5月よりマスク・アルコール消毒液等の日用品を宅急便で送っています。また、相談に来られる方に対しても、必要に応じマスク等を支給しています。今後も感染拡大の状況に応じた支援を続けていきたいと思っています。

2.関西の難民支援のために年末のご寄付のお願い

関西在住の難民を支援するRAFIQの活動は、会員の会費と皆さまからのご寄付で支えられています。

RAFIQは全員が無償のボランティアで活動しています。事務所とシェルターのある「OSAKAなんみんハウス」はオーナーの方が家賃を無料にして支援してくださっています。日本では難民が認定されるのはごくわずかで、一人ひとりに長い年月の支援が必要です。また、「仮放免」中の人など働くことができない人も多く、困窮する難民へは衣食住の支援も必要です。私たちが長く活動を行ってこられたのは皆さまの善意のおかげと思っています。

そして、11月からはオンライン寄付サイト「Give One」(ギブワン)からも、RAFIQに寄付していただけるようになりました。このサイトからのご寄付は、税額控除の対象になります。

関西在住の難民が無事に年を越せるよう、あなたのご寄付をお願いいたします。ご協力いただける方は、以下の方法でお願いいたします。

*RAFIQホームページ「支援金を送る」

http://rafiq.jp/support.html#main_supp_03

オンライン寄付サイト「Give One」 

寄付プロジェクト名入国管理局に収容されている難民への支援事業」
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20160

3.公開セミナーで「日本の難民受け入れのこれから」について対談

11月8日にオンラインでRAFIQ18周年記念公開セミナー「~日本の難民受け入れのこれから~ 入管法はどう変わるのか? 」を開催しました。

空野佳弘弁護士の講演では、司法の審査を経ずに入管に長期収容されるなど外国人の基本的人権が保障されていない状況のまま、国の「収容・送還に関する専門部会」から退去強制拒否罪の新設など重罰化の目立つ提言がされ、帰国できない難民は入管と刑務所を往復することになるおそれがあることなどが詳しく説明されました。

RAFIQからは関西の難民支援について現状報告を行い、その後、空野氏とRAFIQの共同代表二人(田中惠子、上林惠理子)による対談が行われました。約50名の参加者からは活発に質問が寄せられ、それらに答える形で、空野弁護士からは、難民不認定に対する審査請求では難民審査参与員制度が機能しておらず、参与員チームの3人全員が在留特別許可を与えることが適当とした案件でも法務大臣がその意見を採用しなかった事例などが紹介されました。また、田中からは、難民認定申請では日本語による客観的証拠を求められ、支援者がいない難民にはハードルが高すぎること、申請中には3か月を超える在留資格が得られないと健康保険にも加入できないことなどを話し、最後に上林が、逃亡の恐れがない難民認定申請者までもが収容されている現状を変えるためには、市民が声を上げていく必要があると結びました。


4.大学のゼミで難民支援の経験などを話して

関西学院大学法学部政治学科の水戸孝道先生のゼミにオンラインで参加しました。学生さんは教室から参加した3年生5名とオンラインで自宅から参加した4年生3名で、予備知識のない人、高校で移民・難民について学んだ人、海外でのインターンや短期留学で興味を持った人など多様でした。

私からは、1980年代後半の姫路定住促進センター(対象:ベトナム難民)での日本語教師の経験、オーストラリアでの難民二、三世の方たちとのかかわり、そして、日本の難民認定制度、日本にいる難民認定申請者、RAFIQの活動などを紹介しました。RAFIQの活動では、特に、入管での面会活動や仮放免の方たちのおかれた厳しい状況について話しました。学生さんたちはいろいろ質問してくれましたが、やはり、どんな人がなぜ日本に逃げてくるのかという具体的なことに関心があるようでした。難民認定申請者について迫害状況や日本での生活など具体的なことは話せないので、RAFIQの冊子『もっと知ろう!もっと考えよう!難民こと』の冒頭に紹介されている二人の例を中心に紹介しました。この学生さんたちの中からRAFIQの活動に興味を持ってくれる人がいたら嬉しいです。(RAFIQ会員 Hさん)

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RAFIQ Magazine 2020年 11月号  2020年11月25日発行

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 発行:在日難民との共生ネットワーク RAFIQ

 ホームページ: http://rafiq.jp

 お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440

      rafiqtomodati@yahoo.co.jp


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