RAFIQ Magazine
7月号

RAFIQは日本に逃れてきた難民の支援を幅広く行っています。その中から、今回は支援を求める人との面談について、また、RAFIQの拠点であるOSAKAなんみんハウスの日常についてご紹介します。

目次

1.法的支援に関わって

2.なんみんハウスの事務所当番


1.法的支援に関わって

RAFIQに支援の依頼が来ると、まず法的支援スタッフが面談をします。難民性があり支援するかどうかを決めるのですから慎重にならざるを得ません。

迫害を受けた人は心理的に不安定な方もおり、私たちを信用して事実を語ってもらえるかが課題になります。そのため、まず私たちが原則として対象者を信用しようという姿勢で臨み、信頼関係を築きながら進めています。

その人の受けた迫害を率直に時系列で語ってもらい、迫害理由や迫害の状況を理解するように努めます。この「時系列での語り」が分かりやすいと難民性の判断もしやすいです。話が前後する、あちこちに飛ぶ場合はスタッフが時系列に沿った内容になるよう適宜質問を挟みます。

1回の面談で支援を決められる場合もありますが、2回、3回と面談を重ねても決めにくいケースもあります。昨年末なんみんハウスに飛び込んで来たある男性は地域住民から身体的暴力を何度も受けた、殺すという脅迫が来たので帰国すると殺されると主張しました。「地域住民からの暴力」は難民の定義に当てはまらないのでは?でも出身国情報を調べると彼の国の犯罪発生率は極めて高く、殺人も日常的。「十分に理由のある恐怖」と言えないだろうか?と法的支援スタッフの間でも意見は大いに揺れました。

出身国情報は押さえながら、でもそれに引っ張られず、目の前の人から難民になった理由を聞き出し判断することを心がけていますが、迷いは・・なくなりません。

2.なんみんハウスの事務所当番

2019年の10月頃からRAFIQのなんみんハウスの事務所当番をしています。

平日は会社で勤務しているので、土曜日の昼間に事務所に行っています。主な仕事は事務所の電話対応ですが、日によって仕事内容は違います。事務所への来客対応や事務所の清掃、支援物資の配送手配やイベントの準備作業等を手伝う日もあります。

当番をしていて印象的なことのひとつは事務所の2階のシェルターで難民の方が暮らしているときに難民の方と直接交流できる時間があることです。私は昼間に事務所に行くので、その時に難民の方が食事をされることが何度かありました。その際、私にも食事を用意してくれたり、お茶を入れてくれたりといつも気遣って下さいました。「結構ですよ」とお伝えしても「RAFIQのみなさんにはお世話になっているからどうぞ!」という感じでみなさんとても優しく接して下さいました。私は英語はあまり得意ではありませんが、簡単な英語や日本語で難民の方と話せるのは楽しい時間です。とても大変な状況を乗り越えて日本で暮らしておられる方々ですが、私たちと同じ普通の人達なんだと実感できる時間になりました。

当番を始めたことで、より多くの日本人が難民について知り、受け入れられる社会になってほしいと一層感じるようになりました。(RAFIQ会員 Yさん)

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RAFIQ Magazine 2020年 7月号  2020年7月25日発行

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 発行:在日難民との共生ネットワーク RAFIQ

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