RAFIQ Magazine 12月号

RAFIQ Magazine

12月号

今年の年末は関西でも雪の降る日があるそうです。暖かい国から来た人には日本の寒さがより一層こたえるでしょう。新型コロナの収束も見通せないなか、健康であることが何より大切です。支援する難民の皆さんが栄養不足などにならないよう、気を配っていきたいと思います。

１．2020年を振り返って

２．「WORLDなんみんDAY 2020」を開催

３．難民裁判を傍聴して

４．冬物衣料などを支援難民に提供

５．難民について知ろう！１月のイベント案内

１．2020年を振り返って

RAFIQの2020年を振り返ると、何よりも支援難民や会員に把握している限り新型コロナウイルスの感染者が出ていないことにホッとしています。在留カードがなく健康保険にも入れない難民がコロナに感染することを思うといつも心配です。4月からはマスクや体温計、感染防止用品などを毎月送ることができました。昨年より医師が会員になってくださったので、健康面やコロナ対策を相談することができました。事務所の感染対策も行いました。

また、今年ほど皆さまからの温かいご支援を感じた年はありませんでした。

RAFIQを知っていただく機会が減りましたので、活動をより知っていただこうと4月からメルマガの配信先にお世話になった方なども追加しました。SNSでの発信も多く行いました。

その結果、個人からの支援金が増え、マスクや日用品等の寄付品も集まりました。

コロナ禍でより大変な人として難民のことに関心を寄せてくださり、支援イベントや助成金等の情報を寄せてくださる方もいました。

新規入国する難民は減っていますが、滞在している難民の置かれている状況は悪化しています。来年には「入管法改定」が予定され、難民制度の改悪が進められようとしています。また、世界の難民がコロナ禍で置き去りにされている状況にも関心を持つことが必要です。

この一年支えてくださった皆さまに感謝するとともに、2021年の皆さまの安全と健康をお祈り申し上げます。

２．「WORLDなんみんDAY 2020」を開催

12月20日、今年も中崎町の「カフェ天人」にてなんみんDAYを開催しました。今年はコロナ禍での開催ということで、天人とオンラインの同時開催で行いました。天人では例年、他団体のブース販売などもありますが、今年はパネル展示となりました。

朝からコンゴ民主共和国のドキュメンタリー映画「女を修理する男」の上映が会場とオンラインで始まり、合間にはボトルネック江頭さんの世界の民族音楽の演奏、午後の上映の合間には東京在住のコンゴ難民Pさん、天人のJUNさんとRAFIQの田中代表によるトークライブがありました。内戦や飢餓で約600万人が亡くなったと言われているコンゴ。遠い国のような気がしますが、日本にも難民の方は逃れてきています。Pさんは「映画の内容はとてもショッキングですが、コンゴではそれが今現在も日常的に続いています。コンゴが変わるには国際社会からの圧力が必要です。」と力強く語っておられました。3回目の上映後はhavaianasさんによるハワイの歌やボサノバでしっとりと締めくくり。

そして毎年お楽しみのお食事メニュー。今年は2日前からウガンダ、スーダンの難民二人が腕を振るってくださいました。私は両方いただきましたが、2皿は見た目も味も違ってどちらもとても美味しかったです！

来年はコロナも収まって、またワイワイガヤガヤ開催できるといいですね！

３．難民裁判を傍聴して

RAFIQが支援するアフリカ人の国外への退去命令取消しを国に求める裁判を、12月７日、大阪地裁で傍聴しました。

原告から「来てくれてありがとう」と言ってもらえたことが、すごくうれしかったです。

約5分の裁判、日本人の私でも何を話しているのかがよく分かりませんでした。裁判官も弁護士も皆マスクを着用しているため声は聞こえにくく、おまけに早口で専門用語が並びます。これでは日本語に不慣れな人にとっては、何を話しているのかサッパリわからないでしょう。裁判の当事者が、今、何が話されているのかわからないのです。今回のアフリカ難民の方にとっては初めての裁判で、余計に不安が積もったのではないかと思います。そんななか、私たちが行ったことで少しでも不安を減らすことができたならとてもうれしいし、行ってよかったと心から思いました。

今回は私にとっても初めての裁判で、いろいろ驚いたことがありました。一番は裁判期間の長さです。裁判後に行われた弁護士による説明会で、この裁判がいつまでかかるのか質問すると、平均2、3年とのことでした。裁判が行われている間は強制送還されることがないため、しばらくは送還の心配はないでしょう。しかし、そもそも難民性がある人に対し退去命令を下すのはいかがなものでしょうか。仮に難民でなかったとしても身の危険のある国に帰すことは問題です。難民問題に触れていると、日本の現状に憤りを感じます。この状況はいったいいつよくなるのか、本当に先が思いやられます。（RAFIQ会員Ｈさん）

　　　裁判後の弁護士による説明会

４．冬物衣料などを支援難民に提供

11月下旬の１週間、OSAKAなんみんハウスに冬物衣料や台所用品などを展示し、RAFIQが支援する難民の皆さんに提供する機会を設けました。出身国によっては、厚手の服を持っていない人もいて、日本で冬を越す準備に役立ててもらいました。

展示したのは社会貢献に力を入れている団体や企業、個人の支援者から寄付していただいた品々で、有志のRAFIQ会員が分類・整理し、密にならないように２部屋に分けて展示しました。

展示期間中には、就労の認められていない難民認定申請中の人や支援者に付き添われた難民の子どもなどがなんみんハウスを訪れました。

このうち、大阪入管で知り合ったという女性三人のグループは、鏡を見ながら防寒着を選んだり、調理器具の使い方を聞いたりして品選びをしていました。

終了後には、なんみんハウスの大掃除を行い、新年に備えました。

５．難民について知ろう！１月のイベント案内

難民初級講座「難民についてもっと知りたい」

難民ってどんな人のこと？日本に逃れてきた難民はどうやって暮らしているの？日本の難民受入れ制度はどうなっているの？他の国との違いは？など、難民に関心のある方の疑問に、2002年から難民を支援してきたRAFIQが答えます。毎月第二土曜オンライン開催

次回2021年1月9日（土）　14:00～17:00　※16:00からはボランティア説明会

オンライン（ZOOM）で開催　

定員：10名

参加費：2,000円（RAFIQ会員1,000円・学生1,000円）要予約

予　約：http://rafiq.jp/learn.html#main_learn_01

※RAFIQのホームページから申し込みサイト「こくちーず」にリンクしています。予約された方に振込先をお知らせします。入金確認後にZoom ID等の詳細をお知らせします。

※終了後、参加者にはRAFIQ編集のテキスト『もっと知ろう！もっと考えよう！難民のこと』を進呈（郵送）します。

問合せ先：RAFIQ　メール rafiqtomodati@yahoo.co.jp

難民カフェ

毎月第三火曜の夜、難民や難民問題についてRAFIQメンバーとオンラインで気軽に語り合える機会を設けています。難民に関心のある方ならどなたでも参加できます。RAFIQが支援する難民の方が参加することも。

次回2021年1月19日（火）　19:00～21:00

オンライン（ZOOM）で開催　要予約　当日に500円の難民支援カンパをお願いしています。

予　約：申し込みサイト「こくちーず」からhttps://www.kokuchpro.com/event/1459caec440152d02a61ddb5492af299/