2021年から実施される大学入学共通テストにおける英語民間試験の扱いをどうするかで大学が揺れ動いています。
当初は大学入試センターの作成する英語入試問題と民間試験を2年間併用し、その後は民間試験に移行するという予定でしたが、受験生への公平性という観点などから、民間試験を利用することに対して反対する声が大きくなっているのです。
そもそも受験英語が文法偏重、アウトプット軽視であったことを踏まえた改革であったはずですが、文法や単語知識などが十分でなければコミュニケーションもままならないという論理に押し通されて、旧態依然の英語教育が継続されそうな気配が漂います。
多くの日本の大学が入学者の英語レベルをCEFRのA2やB1レベルで設定しています。これは英検で言うと準2級や2級というレベルです。「大学は学問を重視すればよいのであって、語学はしょせん語学」という態度が今も残っているのだとすれば、この先日本の大学は、海外の大学にどんどん水をあけられていくことでしょう。
英語はもはや外国語の一つとして捉えるべきではなく、共通語として考えるべき言語になりつつあります。ローカルな日常言語としての日本語と国家共通語としての国語、さらに、グローバル共通語としての英語、こういう3層で言語を捉えていくべき時代です。
そういう時代において、学習指導要領の教科として英語を扱おうとすることにもう限界が来ているのかもしれません。
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