RAFIQ Magazine
10月号

RAFIQは設立18周年を迎え、これまでに約30か国もの難民を支援してきました。コロナ禍においてもその状況は変わらず、世界中から保護を求めて日本に逃れてきた人たちの相談にのり、頼る人のいない難民の方には、他の支援団体とも連携しながら支援を続けています。ボランティア団体に依存する日本のこの現状を広く知ってもらため、RAFIQではセミナーなども数多く開催していますので、今回は市民啓発の取り組みを中心にご紹介します。

目次

1.RAFIQ 18周年記念セミナーを開催 11月8日

2.国連の恣意的拘禁部会が入管の長期収容に関して意見書

3.日本の難民問題を広く伝えるために

4.よどがわ河川敷フェスティバルに難民とともに参加

1.RAFIQ 18周年記念セミナーを開催 11月8日

11月8日にオンラインで開催する公開セミナーの詳細が決まりました。2002年設立のRAFIQ18周年を記念し、共同代表の田中惠子と上林惠理子がそろって登壇し、弁護士の空野佳弘氏とともに、入管法改定の見通しを含め日本の難民受け入れがどう変わろうとしているのか、「誰一人取り残さない」社会にするために私たちにできることは何かを考えます。

RAFIQ18周年記念公開セミナー「~日本の難民受け入れのこれから~ 入管法はどう変わるのか? 」

日時 11月8日(日)13:00~15:00 

内容 司会 上林惠理子(弁護士、RAFIQ共同代表)

   講演 「入管法はどうかわるのか?」

      空野佳弘氏(弁護士、西日本難民弁護団)

   報告 「コロナ禍の関西の難民支援 」

       田中惠子(RAFIQ共同代表)

  3人での対談「日本の難民受け入れのこれから」

・オンラインでの配信(ZOOM) ・参加費 無料 

・要予約 QRコード又はURLで(先着100名11月5日23時締め切り)

https://www.kokuchpro.com/event/08c9440fe1994757dff3dfb27987447a/

主催 RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)

問い合わせ TEL /FAX:06-6335-4440 Mail:rafiqtomodati@yahoo.co.jp

2.国連の恣意的拘禁部会が入管の長期収容に関して意見書

9月23日、国連の恣意的拘禁作業部会(WGAD)は、日本の入管収容は恣意的収容にあたり、国際法違反であるという意見書を提出しました。これは、日本の弁護士グループが、2人の被収容者の状況が恣意的拘禁にあたり国際人権法違反であるとして通報していた件についての見解を示したものです。

10月5日に弁護士グループが記者会見を行ったことで報道もされています。

日本の入管収容に関して、同作業部会が「意見」を出すのは初めてのことです。「日本が国際法の下で負う義務に反していると認める」とし、自由権規約9条で禁じる恣意的拘禁にあたり、自由権規約26条が求める、差別なく法律による平等の保護を受ける権利の違反であると指摘されています。

また、難民認定申請者についての差別的な対応が常態化しているとも指摘されています。

これを受け日本弁護士連合会は、10月21日、日本政府がこの意見を真摯に受け止め、国際法を遵守するよう求める会長声明を出しています。

現在、国会に向けて「入管法改定」が議論されています。国際人権法に基づいた入管収容と難民の保護が進むことを願っています。

国連人権理事会

恣意的拘禁作業部会で採択された意見(日本語訳)

https://migrants.jp/user/media/ijuuren/page/news/pdf/WGAD_Opinion_JPN_final.pdf

※「恣意的拘禁作業部会」とは

「恣意的拘禁に関する作業部会(WGAD)」は、国連の人権理事会に委託され「恣意的に自由を奪われた事案を受けて調査すること」を任務としています。WGAD は人権理事会が任命した5人の人権に関する専門家で構成されており、この5人が五大陸を代表しています。WGADは、人権理事会に年次報告書を提出するほか、個人から不服申立があった恣意的拘禁について、現地での任務の遂行、審議内容の公表、捜査の実施を行っています。

日本弁護士連合会
「入管収容について国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会の意見を真摯に受け止め、国際法を遵守するよう求める会長声明」

https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2020/201021.html

【参考】

難民支援協会HP https://www.refugee.or.jp/jar/report/2020/10/06-0000.shtml

移住連HP https://migrants.jp/news/voice/20201019.html

3.日本の難民問題を広く伝えるために

一人でも多くの方に日本の難民問題を知ってもらうことが、日本に逃れてきた難民の保護につながります。RAFIQは毎月、難民初級講座、GLORRYゼミ(ワークショップ)を開催しているほか、依頼があれば講師が出向いて出張講座や講演を行うこともあります。

今年は、その依頼が増えており、特に高校から授業の依頼が相次いで3件ありました。

8月には大阪府立藤井寺高校で、9月には大阪府立東淀川高校で、10月にはプール学院高等学校でそれぞれ、SDGsや多文化共生社会などをテーマとする授業で、学生たちは日本にもある難民問題について学びました。世界の97人に一人が移動を余儀なくされていること、日本にも1万人以上の難民認定申請者がいること、そして日本の難民認定率は1%にも満たないことなど知らなかったことが多く、困っている外国人に対し自分たちにできることは何かを考える機会になったようです。

このほかにも10月には、東大阪市と大阪市の男女共同参画センターから、それぞれ女性による地域課題の解決や、日本語教室のあり方などをテーマとする会合に招かれ、関西での難民支援について広くいろいろな立場の方にお伝えすることができました。

4.よどがわ河川敷フェスティバルに難民とともに参加

10月18日、淀川河川公園(西中島地区)で、よどがわ河川敷フェスティバルが開催され、RAFIQは地域の方との交流・PRを目的に、難民関連の冊子やオリジナルグッズの販売とヨーヨー吊りのブースを出店しました。RAFIQが参加するのは今回で3回目。過去2回は即日焼け覚悟の暑さでしたが、この日はフェス日よりのちょうどよい日差しで心地のよい一日となりました。
アフリカの音楽なども楽しめた会場は、コロナ禍の影響を感じさせない人出で賑わい、長い間、人が集う機会が失われていたせいか、特に若い親子連れが久々のお祭りを存分に楽しんでいる姿が目につきました。RAFIQのブースでもヨーヨー吊りに懸命になっている子どもさんと声援を送りながら温かく見守る親御さんたちで大盛況となり、売上が出店費用を大きく上回りました。

そして、難民の方も手袋や消毒で感染対策をしっかりとしながら参加されていました。Iさんは手際よくヨーヨーに空気を入れ、Sさんは言葉を越えたインターナショナルぶりで、販売のお手伝いをしてくれました。
小さな子ども連れの参加者が多く、二人にとっても身近に感じられるお祭りだったようです。

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RAFIQ Magazine 2020年 10月号  2020年10月25日発行

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 発行:在日難民との共生ネットワーク RAFIQ

 ホームページ: http://rafiq.jp

 お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440

      rafiqtomodati@yahoo.co.jp


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