RAFIQ Magazine
9月号

RAFIQは日本の難民問題をより多くの方に知ってもらうため、啓発イベントを積極的に行っています。新型コロナウイルスの影響により、今年は屋内で行う恒例イベントを見送ってきましたが、10月18日には淀川河川敷フェスティバルに出店することにしました。グッズ販売やお子さま向けのヨーヨー釣りを行いながら、RAFIQをPRします。

日時 10月18日(日)11:00~15:00 

場所 淀川河川公園西中島地区

https://www.yodogawa-park.go.jp/annai/nisinaka-juso/

11月にはオンラインでの公開セミナーも予定しています。参加しやすいイベントからぜひご参加ください。

目次

1.10月1日「OSAKAなんみんハウス」オープン4周年!

2.RAFIQ公開セミナーのお知らせ

3.2019年難民審査参与員による認定がわずか1件、8月27日に日弁連が声明を発表

4.難民不認定取消裁判の資料づくりに参加して

1.10月1日「OSAKAなんみんハウス」オープン4周年!

2016年10月1日に「OSAKAなんみんハウス」がRAFIQの事務所として大阪市内に開所してから4周年が経ちました。毎年この時期に「なんみんハウスオープンデー」を開催し、事務所を開放したRAFIQを知っていただくイベント行ってきましたが、本年は三密になるため、中止しご挨拶のみにさせていただきます。

2002年からRAFIQは活動を始めましたが、2008年からは高槻市内の共同事務所で1室をシェルターにして難民の住居支援も行ってきました。単独の事務所を持てたのは市民の方から「難民の方に家を使ってほしい」と連絡があったからです。1階を事務所に2階の1室をシェルターにもう1室を学習室兼資料室として運営しています。古い家ですので年2回大掃除と修理を行いながら維持しています。この4年で10名の難民認定と1名の在留特別許可、10名の仮放免支援ができました。また、多くの方が訪れてくださいました。

今年は、コロナ禍の中でも休所することなく、活動を続けることができました。

ご寄付や支援物資を送ってくださった方、ありがとうございました。

日本の難民はまだまだ厳しい状態にあります。特に難民認定申請者の保護制度がなく、制度的にも経済的にも不安定な状態になっています。RAFIQの活動で少しでも手助けが出来ればと思っています。今後ともご支援をよろしくお願いいたします。


東三国にあるOSAKAなんみんハウス

2.RAFIQ公開セミナーのお知らせ

11月8日にRAFIQ主催で、日本における難民の保護に関するオンラインセミナーを開催します。講師には、難民の裁判を数多く手掛けてきた弁護士の空野佳弘氏を招き、難民が保護されない日本の現状と真に行うべき法改正等について語ってもらいます。

今年6月に公表された出入国管理政策懇談会「収容・送還に関する専門部会」の「送還忌避・長期収容問題の解決に向けた提言」には、国外への退去強制拒否罪の創設や、強制送還の停止(ノン・ルフールマン原則)が認められている難民申請者ついて例外を設けることが含まれ、今後、難民がさらに厳しい立場に置かれるれことが危惧されています。

法改正に向けての動きなど、最新情報をもとにこれからの難民支援のあり方について考える機会とします。

テーマ:「苦悩する日本の難民、難民の収容は変わるのか?」(仮題)

日 時:11月8日(日)13:00~15:00 

講 師:弁護士 空野佳弘 氏

プロフィール
全国難民弁護団連絡会議、西日本難民弁護団、大阪弁護士会人権擁護委員会国際人権部会に所属。外国人在留権訴訟や難民事件に従事。

参加方法:オンライン開催につき、ご自宅等から視聴・参加できます。

10月から参加者募集開始予定

決まり次第、RAFIQホームページでお知らせします。 

参加費:無料

3.2019年難民審査参与員による認定がわずか1件、8月27日に日弁連が声明を発表

8月27日に日本弁護士連合会が「行政不服審査法改正の趣旨に沿った、難民不服審査制度の正常化を求める会長声明」を発表しました。

この声明は、2019年の難民審査参与員での難民認定がわずか1名であることなどから、難民審査参与員制度が機能していないことについての問題点を指摘したものです。

「難民審査参与員制度」は、2005年の「出入国管理及び難民認定法」の改正により法務大臣が任命する外部の有識者の意見を難民不服審査の判断に採用するということで創設されました。しかし機能しておらず難民相当とされる人は数名にとどまっています。昨年の審査請求の処理数8,291件中、難民相当としたのはわずか1件でした。また3人チームで行うインタビューについては、裁決案件6,022件のうち、4,388件もの案件で実施されていませんでした。

2016年の「行政不服審査法」の改正で難民のアピール制度については、それまでの「異議申立て」から「審査請求」に替わりました。この時に「参与員」は補助的役割から、主導する役割に変わっています。その結果が認定数の激減になっていることは機能せずに不認定機関になっていることと思います。

RAFIQの支援難民2名も、この8月に「参与員の口頭審査不実施」(インタビューを行わない)と「難民認定手続きの終結通知」(手続きが終了し不認定が決定されること)が郵送されてきました。欧米のような政府から独立した「難民審査機関」が必要です。

8月27日 日本弁護士連合会「行政不服審査法改正の趣旨に沿った、難民不服審査制度の正常化を求める会長声明」全文

https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2020/200827.html

法務省 「難民審査参与員制度」について

http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyukan_nyukan58.html

4.難民不認定取消裁判の資料づくりに参加して

9月11日に行われたRAFIQが支援するアフリカ出身難民の6回目の裁判。私はここで提出した資料の作成に携わりました。作業自体は出身国にいる家族とのインタビューのうち、日本語の部分をそのまま文字に起こすという簡単なものでした。しかし、インタビューを聞いていて、本人が母国で受けてきた暴力や置かれている状況について詳しく知ることとなり、彼が難民認定されない現状に強い憤りを覚えました。

世界から暴力や紛争がなくならないというのは悲しいことですが、彼のように暴力を逃れて助けを求めている人を日本が受け入れないというのはもっと悲しいことだと思います。

私がRAFIQに加入したのは7月で、日本の難民認定制度について詳しく知ったのもごく最近のことでした。この現状を知った以上、変えていくためにアクションを起こさなければならないと感じるようになりました。

一人一人にできることは限られていますが、なんとか変化を起こしていきたいですね。

裁判が開始してから9月で1年が経ったということですが、判決が出るまでまだまだ時間がかかるようです。もどかしい気持ちで一杯ですが、粘り強く支援を続けていくつもりです。(RAFIQ会員 Fさん)

裁判後の担当弁護士による説明会

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RAFIQ Magazine 2020年 9月号  2020年9月25日発行

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 発行:在日難民との共生ネットワーク RAFIQ

 ホームページ: http://rafiq.jp

 お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440

      rafiqtomodati@yahoo.co.jp


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